7/29/2011

低侵襲心臓手術

今月、Johns Hopkins HospitalでTAVI: Trans percutaneous Aortic Valve implantationの第1例目が行われました。従来の大動脈弁手術は、人工心肺を用いて心停止で行われてきましたが、今回の方法は人工心肺を用いず、心拍動下に経カテーテル的に大動脈弁を移植するという方法です。
5年前にヨーロッパ心臓外科学会でこの方法を初めて見たときは、会場が何ともいえない異様な雰囲気になったのを覚えています。
心臓外科の分野では、大動脈瘤に対するステントグラフト治療などの低侵襲手術が大きなTrendになっています。今回のTAVIもその一端を期待される治療方法です。


でも私は、”ガーと切って、心臓ドクドク、んでもってドリャー!”っていうのが好きで心臓外科の医局のドアを叩きました。一般外科研修でも、腹腔鏡手術の上達しないことと言ったら、滅多に開腹しないことで有名な石田先生が見かねて、「開けるか?」と言うほどでした。


USの多くの施設では、循環器内科のinterventionistが主導し、心臓外科医がsupportするという体制でこの手術が行われているようです。このような低侵襲手術の登場で、外科医に求められるものが、今後変化していくことになるでしょう。


でも私は、自分の”ゾクゾク”体験にしか、一生懸命になれない性格なんです。
せめて、”シューと切って、心臓ドクドク、んでもってスーッ〜”くらいでお願いします!
何言ってんのかわかんない!!








7/21/2011

Best Hospitals 2011-12: the Honor Roll - US News and World Report

JHHが21年連続、全米病院ランキング第1位!
Cardiology & Heart SurgeryはCleveland, Mayo Clinicに次いで第3位!!
う〜ん、Cleveland, Mayo Clinicってどんなところなんだろう?


Best Hospitals 2011-12: the Honor Roll - US News and World Report


正面玄関

2012年完成予定の新病棟



7/14/2011

Fellows in JHH

USでは、7月が年度初め。新しいResidentやFellowらの登場です。
OR(手術室)で仕事をしているので、自分が出会うのは心臓外科と麻酔科Fellowです。
去年は来たばかりで、Fellowのことなど気にする余裕は当然ありませんでしたが、今年はいろいろおもしろいことに気付きます。


そのひとつに、先月までは麻酔科Fellowだった人が、Attendingになったケースがあります。
Cardiac Anesthesiology OfficeのBossのところに行くと、それまではFellow Room(3、4人の共同の部屋)にいた彼女が、Bossと同じ様な立派な一室に。聞くと、秘書もついた様でした。
その彼女の記念すべき一例目は、Redo sternotomy・Low EF・LVAD implantation (再手術・低心機能の人工補助心臓植込み手術)でした。要するに、麻酔科医としては、とっても大変な手術です。自分のMonitoringをしながら、そのうち誰かHelpに来るのだろう、と見ていましたが、結局最後まで彼女一人。新人ResidentとFellowに指示を出しながら、NO(一酸化酸素)・IABPを装着しICUへ帰室。その日、うちのBossはRoom Freeで、Officeで一日Desk Workをしていました。


USではFellowを終えればAttendingとして外科医も独り立ちします。当然誰でもAttendingになれるわけではありませんが、日本よりずっとはっきりしています。
心臓外科医として独り立ちするには?と日本の若手外科医に聞いたら、多くの若手外科医が、施設のトップになることだ、と答えるでしょう。
なぜなら、一つの施設に何人も独立した心臓外科医がいて、それぞれが責任をもって手術をする、などという文化が日本には無いからです、、、。


LVAD implantationの患者さんは翌日人工呼吸器を離脱し、術後monitoring中は雑談していました。



7/09/2011

偉大なる妻の名言集〜その1〜

ご存じの方も多いと思われますが、私の妻は偉大である。


妻曰く、妻は仏教の輪廻転生でいうところの、”仏”に最も近い存在であるようだ。
つまり現世までに、かなりの”業”を積み、輪廻を繰り返しており、おそらく来世では”仏”になるであろう、ということだ。その妻の最後の修行が、私との結婚であるようだ、、、。
妻曰く、私は前世までは人ではなかったそうだ。つまり現世で初めて人となった、”仏”から最も遠い存在であるそうだ。偉大な妻の言うことだから、間違いないだろう、、、。


妻曰く、私は車、土地そして住居といった財産をもってはいけないようだ。
人は何かを手に入れた時、何かを失うものであり、全てを手に入れることはできないのだそうだ。望むものを手に入れたいのであれば、他はあきらめろ!ということである。
したがって、車は走ればよろし(実際、私は分をわきまえ?、一度も自分の希望する車には乗ったことがない)、住居は住めればよろし(分譲マンションなどの不動産は、まだまだ購入してよい身分ではないのだそうだ)、余った分は妻にでよろし!?ということだ。


もう皆さんお分かりのことと思いますが、私はマゾです。
ただ誤解して頂きたくないのは、妻の言う事に間違いはないのです!
きっと、、、。信じてますよ、、、。


次回からは本分をわきまえ、留学のテーマに戻りますよ!
ああ、斉藤和義の”男節”でも聞いて頑張ろう、、、。



7/06/2011

Dislike it, in Johns Hopkins & Baltimore

今回は前回の続編。

  1. Dangerous in JHH & Baltimore:危険なんです、、、。だってJHHの中でDr.が患者さんの家族に撃たれちゃうんですよ!JHHの周りは特にDangerousで、だいたい警察の黄色テープが張られています、、、。とはいっても、自分は危険な目には遭ったことはありません。家の中が一番Dangerousだったりして!?
  2. Winter in Baltimore:去年の夏にBaltimoreに来て、家族4人でとっても楽しかった分、冬は本当に嫌でした。寒いし、日は短いし、子供は外で遊べないし、朝は500amから駐車場の雪かきしないと仕事行けないし!学会で1月にSan Diegoに単身行ったとき、 「ここには妻は連れてこれない!もし一緒に来ていたら、Baltimoreには絶対におとなしく帰ってくれない!」偉大なる尾本先生は言いました。「夏に遊んで、冬は勉強!!」なるほど、それ正解!!
  3. Service & Hospitality:USには日本の様なサービスはありません!Dr. Cameronは「もしこの世に天国があるとしたら、それは日本のホテルだ」とまじめに言っていました。最初は何のことか分かりませんでしたが、Now I fully agree!日本のサービスは本当に素晴らしい!!ただ、子供へのHospitalityはUSのほうが素晴らしい。美術館などの公共施設で子供が多少騒いでも、誰も気にしません。レストランでも必ずKids menuがあり、とっても子供に優しいです。
というわけで、次回こそはお待ちかね、「偉大なる妻の名言集」をお送りします!
多分、、、。

雪が降ると外に行きたくなる二人。

冬場にはダイエットのため、トレーシー何とかに勤しむ、偉大なる妻とその娘。


7/01/2011

Like it, in Johns Hopkins & Baltimore

今回は、Johns Hopkins Hospital (JHH)とBaltimoreの"Like it!"なところ。
  1. Professionalism in JHH:”USA News Best Hospital”で20年連続No.1 Hospitalに選ばれたJHH。Coffee shopのおじさんからProfessorまで、みんな胸のJHHのマークに誇りを感じて仕事をしているのを感じます。Cardiac Surgeryでも本当に多くの人が働いています。日本では聞いたこともない職種もあります。その中にInformation System Managerというのがあります。彼女はIT systemのmanagementから、Cardiac Surgeryに関わるPatient Record Databaseの作成と管理、そしてCardiac Surgery関連の論文のチェックまで行います。その知識は医者と十分議論できるほどです。彼女以外のSpecialistも、誇りと責任をもって仕事をしているのを感じます。誰かが偉いんではなくて、それぞれが偉い、というJHHがとっても”Like it!”なわけです。
  2. Luxury in JHH:何がLuxuryって、ConferenceやMeetingがとってもLuxuryなんです!というのも、ほとんどのMeetingでCoffee, Bagel, Sandwich and Fruitsが用意されます。こんなおしゃれなMeetingをLuxuryと呼ばずに何と呼ぶ!こういうの何かいいよねえ。
  3. Nature & Summer Weather in Baltimore:とにかく夏はほとんど湿気がありません。さらに5月の下旬からはApartmentのPoolがOpenし、子供と毎週末PoolをEnjoy!冬はDepressですが、We love beautiful summer!!
  4. NYC & Washington DC:北米の2大都市に気軽にAccessできるBaltimore。「じゃあ今度の週末はWashington DCでMonetでも観ようか!」「連休はNYCのBroadwayでSpiderman観ようか!」んん、なんて贅沢な。
ということで、USAのなかでもJHHとBaltimoreしか知らないので、他の施設や都市と比較出来ませんが、今はJHHとBaltimoreがとっても気に入っています。
次回は、”Dislike it ! in JHH & Baltimore”か、”偉大なる妻の名言集”をお送りします。お楽しみに!