THIで働き始めて9ヶ月、ひとつだけ密かな自慢がありました。
それは、自分が閉胸した症例で、いまだ出血再開胸がない!ということでした。
心臓手術後は出血が止まりにくい状態で、ICUでドレーンの出血量が多いと、再度手術室に戻り、再開胸しなくてはなりません。
Attending Surgeonの信頼を得るためにも、出血再開胸はどうあっても避けたい事態です。
ほぼ毎日開心術を担当し、出血再開胸がない、というのは自分でも驚きでした。
これは自分のSurgical Skillだけでは決してありません。
閉胸時にMasaの集中力が途切れそうなとき、PAや看護師がいつも注意を促してくれて、麻酔科医がMedicalに出血をControlしてくれているからこその賜物なのです。
そんなMasaにもついに危機が訪れました!
感染性心内膜炎で再心臓手術の高齢者、、、。
手術室を退室するときには大したことのなかった出血量が、ICUでズンズン!
こりゃ、ついに再開胸だ!!
ICUのベットサイドでドレーンをにらむこと数時間、Attending Surgeonに電話しようとしていたMasaに担当Nurseが一言。
”30分後に戻って来て。Masaがそこにいると出血が止まらないから”
休憩室でコーヒーを飲みながら、しょぼくれること30分、、、。
ICUに戻ってビックリ!
さっきまであんなにズンズンしていたドレーンからの出血が、嘘のようにチョロチョロに!!
”何したの??”と担当Nurseに聞いても、ふてぶてしく笑って、野太い声で”秘密よ”だって!?
思わずそのマツコデラックスのような巨漢にHugしてしまいました!
とにかく、何とか危機一髪で再開胸をまぬがれ、密かな自慢が守られた、というお話でした。
しかし彼女は一体何をしたんだ??
何にせよ、もう彼女には逆らえんなあ、、、。