8/30/2013

再手術

これだけ大きな施設だと、1日1例は再手術です。
再手術は、胸骨と心臓が癒着している事が多く、胸骨切開は慎重を要します。
日本では、前回手術の胸骨ワイヤーを引き上げて、心臓と胸骨の間にスペースを作って、再切開用の扇型鋸を使って、時間をかけて少しずつ胸骨を切開していくのが常套です。
Johns Hopkinsでも同様にしていました。

Texas Heart Insituteでは、、、???

ある日、再手術の症例を割り当てられました。
日本でしていた通り、胸骨ワイヤーを引き上げられるように剥離し、Attending Surgeonが来るのを待っていました。
ふと手術機械台に目をやると、扇型鋸が見当たりません、、、。
そこにAttending Surgeonがやって来ました。
彼は、おもむろにワイヤーを全部引き抜き、そして、、、!?
何と、通常の胸骨鋸でいきなり下から上に胸骨切開したのです!!

運良く?心臓も損傷せずに、胸骨は切開されました。
手術は何事もなく終了。
機械出しの看護師さんに、「彼は再手術でも、いつもああやって胸骨切開するの?」と聞くと、「何言ってるの?みんなそうよ!」だって!!!

その後、何例も再手術を見ていますが、今のところ大事は起こっていません。
どのAttending Surgeonに理由を聞いても、「何かあっても、Repairできるから」だって、、、。

自分で再手術するときに、通常の胸骨鋸で切開しようとはとても思いませんが、それもOK!という、とても勇気づけられる事実を学びました。